大会長挨拶
第7回日本医薬品安全性学会学術大会の開催に際して
第7回日本医薬品安全性学会学術大会
大会長 今給黎 修
福岡大学薬学部 教授
福岡大学筑紫病院 薬剤部長
この度、第7回日本医薬品安全性学会・学術大会を2021年7月24日(土)〜7月25日(日)の2日間、九州大学医学部百年講堂・同窓会館(福岡市東区)で開催することになりました。
日本医薬品安全性学会は、「医薬品安全性学の実践を通して医薬品の安全性の向上に寄与する」ことを理念とし、2014年5月に設立され、同年7月に第1回学術大会を開催し、以来「医薬品のリスクから患者を守る」ための様々な討論を行って参りました。また翌2015年には薬剤師を対象とした認定制度(医薬品安全性指導者(DSSP)、医薬品安全性専門薬剤師(DSD))および2018年には製薬会社における医療関係者を対象とした専門制度(医薬品安全性情報スペシャリスト(CDSIS))を創設し、会員が医薬品の安全性の向上を通じて国民の健康により一層貢献することをサポートしてきました。
しかし、2020年初頭より世界中に蔓延しているSARS-CoV-2による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、医療の世界だけでなく、人間の日常の生活の営みを根本から覆し、環境を一変させる社会全体の大きな災厄にまで発展してきており、我々がこれまで築き上げた生活様式の転換を余儀なくされております。そのCOVID-19渦中において様々な学術大会や研修会が影響を受けることとなり、私共の第6回学術大会(新潟大会)は、COVID-19拡大により中止という決定に至りました。これまで運営を主導してこられた大会長 外山聡先生(新潟大学医歯学総合病院 教授・薬剤部長)、実行委員の先生方、開催を楽しみされていた学会員の方々あるいは新たに医薬品安全性に興味を持たれていたこれらすべての方々にとって、残念な思いはいかばかりかと拝察いたします。歴史が古い学会であればいざ知らず、我々の学会のように歴史の浅い学会において、学術大会は熱い討論を交わす場であると同時に、本学会の意義を広く知らしめる貴重な場でもございました。その機会が失われたことは本学会にとって誠に大きな痛手となりました。
今回これらのことを踏まえて、第7回学術大会のテーマを「その先に新たな医薬品安全性を創造する!~Beyond COVID-19~」とさせて頂きました。COVID-19禍、医学、薬学領域ほぼすべての学会において、いわゆる「現地開催」という従来当たり前のよう実施されてきた学会形式が皆無となり、WEBでのオンライン開催が基本となりました。しかし本学術大会では、まずは「現地開催」にこだわり、「Beyond COVID-19」を合言葉に、2年ぶりの開催をこの福岡の地に皆さまをお迎えして、あらためて今後の医薬品安全性について意見を交えていきたいと考えております。どうか、多くの方々にご参加頂きご議論いただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
(なお、COVID-19拡大状況によっては、オンライン開催(ライブ配信およびオンデマンド配信によるハイブリッド形式)に変更することもございますことをご了承下さい。)