大会長挨拶
第6回日本医薬品安全性学会学術大会
大会長 外山 聡
新潟大学医歯学総合病院 教授・薬剤部長
新潟医薬品安全性研究会 代表幹事
このたび、第6回日本医薬品安全性学会学術大会を、2020年8月8日(土)、9日(日)の2日間、朱鷺メッセ新潟コンベンションセンターにて開催することとなりました。
日本医薬品安全性学会は、医薬品の有害作用に焦点を当て、その発現機構・誘発要因の解明と回避策を探求し、これを実践できる医薬品安全性の向上に寄与する人材の育成を目的として、2014年5月に設立されました。設立から日は浅いですが、本学会のルーツは、1990年に本学会理事長の宇野勝次先生が立ち上げた「副作用研究会」(現 新潟医薬品安全性研究会)にあります。
副作用研究会発足当時、有害作用は、発現機構・誘発要因が理解しがたく、制御困難な、医薬品の「影」でした。この30年間、研究会活動を続ける中で、ゲノム薬理学や免疫におけるシグナル伝達機構等の知見、ビッグデータを活用した薬剤疫学的アプローチの発展により、有害作用の発現機構・誘発要因と回避策の解明に近づきつつあるように感じます。制度面でも、医薬品リスク管理計画など整備がなされました。
この30年の進歩を享受しつつ、さらに医薬品の「光」(有益作用)を輝かせることを目指して、第6回学術大会のテーマは、「継往開来 ―医薬品安全性のこれからを切り開く―」としました。
本学術大会では、様々な職種が、多方面より、医薬品の有害作用の機序とそれを踏まえた回避策、そして実臨床で医薬品適正使用を広く推進する方策を議論することで、さらなる医薬品の安全性の向上に貢献したいと考えております。どうか、多くの演題をお寄せいただき、また、多数の方々にご参加・ご議論いただきますようお願い申し上げます。