第2回日本医薬品安全性学会学術大会は、無事終了致しました。
ご参加頂きました皆様、ご協力頂きました関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。
大会長挨拶
 本学会は、医薬品の適正使用の推進によって医療における有効性と安全性を確保することを目的として発足し、第1回学術大会が宇野大会会長のもと、「医薬品有害事象0(ゼロ)への挑戦の第一歩」をメインテーマとして、平成27年7月4日・5日に福山市にて開催されました。学会発足後初の学術大会にもかかわらず、500名近くの参加者があり、一般演題70題に加えて、シンポジウム、教育講演、ワークショップ、等が盛り込まれ盛会となりました。
 第2回大会は「安心・安全な薬物療法の推進に向けて」をメインテーマとして、平成28年7月23日(土)・24日(日)の2日間にわたり、岐阜市の長良川国際会議場・岐阜都ホテルにて開催することとなりました。教育講演、ワークショップに加え、シンポジウムでは、がん薬物療法における安全対策、緩和ケア、高齢者や腎機能低下患者における薬物治療における安全管理、在宅薬物療法における安全管理といったテーマ等を予定しています。また、7月24日の午後には同会場にて日本医薬品安全性学会認定の「医薬品安全性指導者」ならびに「医薬品安全性専門薬剤師」の認定試験を実施する予定です。
 さて、近年、新規医薬品や医療機器の開発スピードが加速するなかで、薬剤師には医療に関する最新の情報を入手し、薬物治療における有効性と安全性確保に役立てることが求められています。一方、医療現場においては、病状の悪化等の理由により、保険適応はないが有効性が報告されている治療をやむを得ず行うことがしばしばあります。これまでは厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」があり、ここで医療上の必要性が認められた医薬品については薬事承認を待たずに保険適用が可能となります。さらに、平成28年には「患者申出療養制度」の導入が検討され、この制度では申請された内容について厚生労働大臣の承認が得られれば、治験における保険外併用療養制度と同様に保険適応外使用ができるようになり、運用については「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」(平成27年4月施行)に準じて行うことになると思われます。本大会では、医薬品の市販後調査ならびに治療上必要な保険適応外薬の取り扱いと関連する医療制度についてもシンポジウムのテーマとして取り上げ、岐阜大学医学部倫理審査委員長の塚田敬義教授に基調講演をいただいた後、日本製薬工業協会、厚生労働省、製薬企業、および病院薬剤部の立場からこの問題への取り組みについてご紹介いただくことを企画しています。
 医薬品の副作用対策のみならず、新たな医療制度についての理解を深め、より広い意味での医薬品の適正使用の推進に役立てられることを期待し、多数の方々にご参加いただきますようお願い申し上げます。
第2回 日本医薬品安全性学会学術大会
会長  伊藤 善規
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